近年、世界で活躍する日本人スポーツ選手やアーティストの英語力が上がっていると感じます。
ゴルフの宮里藍選手、テニスの錦織圭選手などは、通訳を介さずこなれた英語で対応しているのを見ると、堂々としていてネイティブにも劣らないと感じます。
発音は流暢でなくても、自分の言いたいことをちゃんと伝えているアスリートもいます。
サッカーの本田圭介選手の入団会見の英語は、日本人英語の域を出ていないのに、強い意志とユーモアがあり、外国の記者たちの心をがっちりとつかんでいました。
ちょっと違うタイプでは、ムネリンこと川崎宗則選手がメジャーリーグで記者に対応していた時は、全く英語は話せていないのに、すばらしいコミュニケーション能力で相手を笑わせていました。その様子は感動を覚えるほどです。
では、海外で活躍する日本人たちは、どのように英語力を身につけているのでしょうか。
まず、彼らには一つ大きな共通点があります。
それは、「英語を話すことが最終目的ではない」ということです。
それぞれ、夢をかなえるために英語が必要だから、その手段として英語を身につけているのです。
子供に英語を習わせたい理由は?
日本で暮らす日本人家庭で、子どもに英語を習わせたいと思う理由はなんでしょうか。
将来受験に役立つから、就職に有利だから、生涯年収が上がるから、でしょうか。
家族で海外に移住する可能性がある、海外旅行が大好きだから、親が英語を話せる人に憧れているなど、家庭によって理由は様々でしょう。
早期教育で英語を話せるようになれば、将来お子様自身の役に立つのは間違いないでしょうし、子どものためを思って熱心に教育をされている親御さんはすばらしいと思います。
では、先に述べた海外で活躍する日本人は小さい頃から英語を習っていたのでしょうか。
テニスの錦織選手は13歳からアメリカフロリダ州でテニスの才能をのばすため、寮生活をしていました。
それまでは、島根県に住み、幼児期から特別な英語教育を受けていたわけではないようですが、ネイティブ並みと言える英語力を身につけています。
彼が英語をそこまで身につけられたのは、親元を離れて海外に住み、一日中英語漬けの生活を送っていた環境要因が大きいでしょう。
しかし何よりも、彼が夢をかなえるために英語が必要であったということです。
彼がテニスを学ぶためには、コーチの言っていることを理解する必要があり、テニス漬けの生活を送るために、寮生活に慣れる必要があり、とにかく早く英語を身につけなければならなかったのです。
すべてはテニス選手として世界で活躍するという夢のためです。
そうでなければ、13歳の少年が親元を離れ、言葉の通じない場所での暮らしの中で耐えることは難しかったと思います。
語学留学しても英語が話せない人が多い理由
人は大好きな事や興味のあることには、人一倍がんばることができます。
夢を実現するためであれば、どんな苦労もいとわないという強い意志のある人は、きっと何かをつかんでいくでしょう。
一方、語学留学をしても、英語があまり身に付かないで帰ってくる人は少なくありません。
ある人の話では、アジア系の留学生がたくさんいるエリアに住み、日本人や片言の英語しか話せないアジア系の人とばかり一緒にいたそうです。
また、同じクラスに日本人がいたので、なんとなく恥ずかしくて、あまり授業中に発言できなかった、と言います。
逆に、アジア系の留学生が全然いないエリアに行った友人は、差別的な扱いを受けることがよくあり、自分とは違う人種ばかりのクラスメイトと接するのがいやになって、引きこもり状態だったと言っていました。
せっかく留学しても、これではもったいない話ですね。
こういった話を聞いて感じるのは「なにがなんでも英語を身につけないといけない!」という切羽詰まった状況でないと、モチベーションをキープするのは難しいということです。
英語は夢をかなえるための最強ツール
辛い事があった時にも心が折れてしまわないのは、英語を話して自分の目標を達成するイメージを常に持ち続けているからではないでしょうか。
元々英語が得意教科だったわけでもなく、勉強が好きだったわけでもなくとも、自分の夢を追いかけながら語学を磨くことができれば、英語力だけでなく強い精神力も手に入れることになるでしょう。
そうして可能性を手に入れているのです。
英語が話せれば掴めるチャンスが多くなる
子どもが将来夢や目標を持った時に、英語の基礎があれば、必ず役に立つでしょう。
英語を話す力を身につけておいた方が、チャンスは多くなります。
これからの社会では、英語を話せる事自体を最終目標とするのではなく、「英語を使ってなにができるのか」が求められます。
科学技術の発達によって、近い将来失われる職業もあると言われる中で、専門的な知識やスキルであったり、クリエイティブな発想などが必要になってくるでしょう。
まず英語はツールとして持っておくこと、そして自分の得意分野の才能をのばしていくことがこれからの教育の理想ではないでしょうか。