日本で英語教育熱は高まっています。小学校から英語を正式に教科化することを決定し、英語教育の早期化も進んでいます。
そういった時に必ず議論になるのが、「幼児期から英語教育をすることは必要か」ということです。
あまり早い時期に始めると、母国語である日本語が中途半端になってしまうのではないかという声も根強くあります。
小さい頃から英語を習わせる家庭は増えていますが、そんなに早くから英語を習い事をとしてさせることに批判的な層も一定数存在します。
英語早期教育のメリット・デメリットとはなんでしょうか。
英語を中学校入学以降に勉強し始めた場合と、幼児期からおこなうケースでどういった違いが起こりえるのでしょうか。
目次
幼児期から英語教育を始めるメリットとデメリット
幼児期から英語教育を始めるメリット4つ
メリット1. 英語の音が自然に入り、いわゆる「英語耳」作る事ができる
幅広い音に触れることによって、英語の音も自然に聞き取れる「英語耳」を獲得することができる。本人の努力以前に、自然な形で大きなベネフィットを身につけさせてあげられる。
関連記事:【英語耳は何歳まで?】子供の英語耳の作り方と英語耳の効果
メリット2. 言語習得時期にあるため、自然な会話を身につけられる
日本語と平行して新しい言語を身につけていくため、自然な会話を学ぶことができる。母国語に近い感覚で、英語を身につけることができる。
メリット3. 勉強ということではなく、楽しく英語に触れることができる
テストのためというのではなく、楽しく遊びながら英語に触れることができる。
プレッシャーもなく、英語嫌いになるリスクは低くなる。
メリット4. 抵抗感なく、ネイティブスピーカーと話せる
まだ「恥ずかしい」という感覚が少なく、友達に自分の英語を聞かれることや、外国の先生と話すことへの抵抗感が少ないというのが大きなメリット。
幼児期に英語教育を始めるデメリット2つ
デメリット1. 後から文法を習う際に逆に混乱してしまう
自然な会話を身につけてから文法を教えられるという状態になり、混乱してしまうという状態になる恐れがある。ただ、逆に理論が後からわかることで理解が深まることも期待できる。
デメリット2. 母国語と英語が混ざってしまう
これは少なからず、実際にあること。私の子どもたちもアメリカに住んでるころによくあり、日本語で話しているのに、単語や動詞だけ英語になってしまったりする。親自身が話し方に気をつけたり、英語と日本語を使う場面をきっちり分けるなどの工夫が必要。
中学生以降に英語教育を始めるメリットとデメリット
中学生以降に英語教育を始めるメリット3つ
メリット1. 文法が理解できる
文法を理解し、体系的に英語を学習することができる。文章を組み立てる際、文法をあてはめて作れる。
メリット2. 日本語が既に完成されているので、母国語で思考する力がある
中学から始める一番のメリットと言われるのは、日本語の能力が既に確立されているので、母国語に与える悪影響が少ないということ。
メリット3. 読み書きの習得が早い
読み書きの学習は、幼児に比べると効率よくできる。
中学生以降に英語教育を始めるデメリット5つ
デメリット1. 英語を教科として学習するため、自然に身につけるのが難しい
英語が好きだったけど、学校で教科として習い始めてから苦手意識が強くなった。学校での教科学習では、自然な英語というよりも、文法学習が中心になりがち。
デメリット2. 楽しく身に付けるというより、テストでの得点を取る事が目的になってしまう。
長い目で見れば英語を話せるようになることが目的なのに、目の前にあるテストで高得点を取ることが最優先になってしまう。受験勉強も、暗記や文法を中心に学習することが多くなってしまいがち。
デメリット3. 英語の音に慣れるのに時間がかかる
人間が聞こえる音の範囲は、幼児期に定まってしまうと言われている。中学生ころから英語学習を始めた人は、リスニングに苦手意識を感じる傾向にある。
デメリット4. 文法や決まりから入るため、考えてから話すことが多くなる
反射的に話すというより、文法や覚えた単語を思い出しながら話すようになるため、会話のテンポが悪くなりやすい。
デメリット5. 「恥ずかしい」という気持ちが邪魔をする
中学生くらいの思春期になると、周りに英語を聞かれたり、英語で話すということを恥ずかしく感じてしまう子が多くなる。英語の発音でからかわれた、という経験がある人も少なくないのではないでしょうか。
まとめ
色々な意見はありますが、私の実体験として、英語教育は早いに越したことはない!と思っています。
私の子ども達は幼児期をアメリカで過ごし、現在日本でインターナショナルスクールに通っています。
ものを考える時はどっちで考えているのか聞いたことろ、「シチュエーションによって変わる」と答えました。
「ママと話す時は日本語で考え」「学校の勉強は英語で考えている」というのです。
中学からの義務教育の中で英語を習い始めた私は、アメリカで幼少期を過ごした子供達の英語の発音にはかないません。
考えすぎて不自然にな表現になってしまうこともしばしば。もっと早くから英語に触れることができていれば、、と強く思います。
大人になってから本格的に英語を学習するとしても、英語耳を持っていることや自然な英語表現を知っていることは、大きな武器になります。
日本の子供達が、幼少期から英語に触れることで、こういった武器を標準装備できる日がくることを願っています。
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