日本人として耳にたこができるほど聞いてきたのが「日本人は英語の読み聞きはできるのに、英語を話せないのか?」。
しっかりと学校の勉強に取り組んできた方ならなおさら、なんだか悔しい気持ちになりますよね。
日本人の場合インプットは得意とするものの、アウトプットができていないことが多く、それが英語を話せない原因となっています。
早期英語教育をおうちで始めている方は特に、「英語を話せるようになってほしい!」と考えているはずですが、インプットだけではなく、アウトプット環境を整えてあげられていますか?
そこで今回は、英語習得のためのアウトプットの重要性について、ご紹介していきます。
目次
どうして英語のアウトプットが重要なの?
インプット、アウトプットとは?
はじめに、インプット、アウトプットについて確認しておきましょう。
インプットとは「入力」のことで、英語学習では主にリスニングやリーディング、語彙や文法学習のことを指します。
一方、アウトプットとは「出力」のことで、英語学習ではスピーキングやライティングのことを指します。
- インプット=リスニング・リーディング
- アウトプット=スピーキング・ライティング
日本の英語教育はインプットが基本
日本では文法訳読式といわれる、英語を日本語に訳していく授業がメインで行われてきました。
そのため、日本人は文法を覚えることが得意で、また日本人のリーディングのレベルは高いと言われています。
テストでも文法問題や読解問題がメインですよね。
それに比べて会話などのアウトプットの機会が圧倒的に少ないため、会話においてはいわゆる「場数を踏む」ができていないのです。
これは、日本の英語学習の目的は受験と設定されていた為、リスニングやリーディングはマークシートを使って採点がし易いですが、スピーキングや論文などのライティングは、採点者が平等に採点するのが困難なので、日本の英語学習に取り入れられなかったという経緯もあります。
冒頭でも書いた、「英語の読み聞きはできるのに、英語を話せない」
このような日本人が増えていることに、国も危機感を覚えはじめ、英語学習方法も見直されつつあり、実際に使える英語を教えるようになってきています。
これまで2020年の教育改革へ向けて、大学入試の英語も「聞く」「読む」の2技能方式から「聞く・読む・話す・書く」の4技能方式の導入も進んでいます。
アウトプットの経験がなければ英語は話せない
当たり前のようなことを述べてしまいましたが、改めてお伝えすると、やはり何事も経験したことがないことはできません。
いくらテニスラケットの持ち方やボールの打ち方の映像を見て、筆記試験まで受けたとしても、ボールを打つことができないのと同じです。
実際にボールを打ったとして、1回打ったときと50回打ったときでは、練習後にどちらが上達しているかは言うまでもありません。
人間は、アウトプットしながら自分の状況を確認し、微調整していける力を持っているのです。
アウトプットをしないうちに受容バイリンガルに
また、「受容的バイリンガル」と呼ばれる人々がおり、聞くことはできるけど話すことができないバイリンガルという意味です。
特に親の転勤に伴い海外で暮らし始めた子供や、帰国子女の子供によく起こります。
例えば、家族と一緒にアメリカに来た子供は、段々現地での生活にも慣れ、英語を聞きとったり話したりできるようになりました。
しかし、家で親が日本語を忘れないようにと日本語で話しかけても、子供は親が英語を話せることを知っているので英語しか使用しないといったことがあります。
そうしているうちに、子供にとって日本語は使う必要のない言葉になっていき、聞いたり読んだりはできるけど話せない、受容バイリンガルとなってしまうのです。
この例からも、英語を話すためにいかにアウトプットが重要なのかわかりますよね。
インプットとアウトプットどちらが重要?
インプットとアウトプットどちらも重要
アウトプットが重要、というお話しをすると、インプット批判をしているようにも聞こえますが、決してそうではなく、言語習得にはインプットとアウトプットどちらも重要です。
インプットがなければ、そもそもアウトプットするものがなくなってしまうからです。
「英語で考える時間」がなにより重要
もちろんCDやDVDを聞いたり、単語を覚えたりするインプットも大切なのですが、それに加えてよりリアルなインプットとアウトプットのサイクルを作ることが重要です。
なぜなら、よりリアルなインプットとアウトプットのサイクルの中には、「英語で考える時間」が発生するからです。
つまり言語習得のためには、以下のような練習を積み重ねる必要があるのです。
「聞く → (考える) → 話す → 聞く → (考える) → 話す」
当たり前のことを言っているようですが、意外とこのサイクルができていないことがあります。
ここでは、今注目されているリアルなインプットとアウトプットのサイクルを取り入れている学習方法について、2つご紹介します。
オールイングリッシュ授業でのインプットとアウトプット
先程も述べた、2020年からの教育改革では、入試の改革に加え、中学生から英語の授業を全て英語で行うことも大きな改革の1つになっています。
授業がわからなくなるのではないかという懸念もありますが、「理解できる内容でのインプット」が重要とされていますので、その点は問題が大きくならないように進めていくのではないでしょうか。
オールイングリッシュ授業では、教科書内容のリスニングやリーディングだけではなく、教師が話す英語、つまりよりリアルな英語表現をたくさん蓄積していくことができます。
そして日本語で説明を聞くのではなく英語で説明を聞くことで、「英語で考える」時間を作ることができ、会話中のよりリアルな脳の働きに近づけることができます。
イマージョン教育でのインプットとアウトプット
イマージョン教育である「CLIL」が今日本でも注目されつつあり、英会話教室でも取り入れるところが増えてきています。
これは、国語以外の教科を英語で学習する教育のことです。
関連記事:イマージョン教育とは?経験ママが語るイマージョン教育のデメリット
私の勤務していた英会話教室でも「CLIL」で指導する単元がありましたが、ハイレベルでありながらもわかりやすく、そして効果がある授業形態だと感じていました。
例えばですが、「食物連鎖」を英語ではなんと表現するかご存知でしょうか?
正解は、「Food chain」です。
しかし、学習の場では「Food chain」を知っているかどうかは重要ではありません。
「うさぎは何を食べるのか、そして何に食べられるのか」を英語で理解し考え、発表できることのほうが大切なのです。
この一連の作業を全て英語で行うわけですから、英語を聞き取る力や発話する力が伸びるのは言うまでもありません。
この教育でも、「英語で考える」よりリアルな会話中の脳の働きに近づけることができるのです。
英語を話すためには、リアルなインプットとアウトプットが必要
リアルなインプットとアウトプットを作る理由
さて、ここまでよりリアルなインプットとアウトプットを作る場としてオールイングリッシュ授業やイマージョン教育をご紹介しました。
なぜそのような教育が注目されているのかというと、学校の授業ではそのような状態を「作る」しかないからなのです。
学校ですから、英語の文法やリーディングを学んだり、他教科も学んだりと、学習をする必要があるのです。
英語が話せる子供の秘密「英語を使う機会を持っている!」
では、リアルなインプットとアウトプットは学校でしかできないのでしょうか?
決してそんなことはありません。
実は、今まで述べてきた「リアルなインプットとアウトプット」とは、なんのことはない「英語を使う」のことなのです。
これは最も効果的で誰にでもできる方法なのですが、「英語を使う」機会を作る難しさから、なかなかできていない子供が多いのが現状です。
しかし、英語が実際に話せるようになっている子供は、高確率で英語を使うの機会を持っています。
英語で会話ができる場所
オンライン英会話
最も簡単に会話の機会を作ることができるのは、オンライン英会話です。
扱う会社によっても様々ですが、月6回3,000円程度から始められるものもあり、月額6,000円程度で受講し放題!というものまであります。
子供の扱いになれている講師が多いので、画面の向こうにはなってしまいますが、子供の心を掴み楽しく会話をしてくれますよ。
関連記事:[子供向けオンライン英会話] ランキング、費用、効果、メリット、デメリット
英語イベントに参加する
地域で行われている英語のイベントに参加しましょう。
英会話教室が主催しているところもあれば、英語イベントを専門に定期的に開催しているところもあります。
私も英会話教室の講師をしていたときは、季節ごとにイベントを開催していました。教室には通わなくとも毎回参加してくれる子供もいましたよ。
もちろん入学してくれるに越したことはないのですが(笑)、講師としても人数が多いと盛り上がり楽しいです。
また、英語を好きになってくれる子供を増やしたい!と思っている講師がほとんどだと思いますので、入るつもりがないのに参加はまずいかな…などとあまり気にしすぎる必要はありませんよ。
ただ、できれば一度きりや年に数回などではなく、定期的に通えるような場所だと良いですね。
大阪の英語ファミリーでは、外国人を招いて行う英会話レッスンだけではなく、ハロウィンパーティやクリスマスパーティなどの季節のイベント、クラフトやクッキングまで楽しく参加できるイベントが盛り沢山です。
関連記事:親子で楽しめる英語ファミリーの英語イベント最新スケジュール
お近くにお住まいの方は、ぜひお気軽にご参加ください。
英語が話せる子供の秘密は「楽しく英語を使う」
さて今回は、英語習得のためのアウトプットの重要性についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
英語が話せる子供に共通しているのは、楽しく会話をする機会があるかどうかです。
せっかくおうちで学んでいる英語を使わないのはもったいない!
ぜひオンライン英会話や地域で開催されている英語イベントに参加して、英語を楽しく使いましょう!