アメリカの幼稚園(キンダーガーテン)では子供たちはどのように過ごすのでしょうか。
日本との違いについて気になったことはありませんか?
私がアメリカ(ロサンゼルス)と日本(東京)で子育てした中で感じた、幼児教育のあり方の違いについてお話します。
私個人の体験の話ですので、アメリカ全体が同じだということでありません。
また、アメリカは州ごとに教育に関する基準も全く違ってきますので、カルフォルニアの基準に基づいてお伝えします。
目次
アメリカの先生は生徒を子供扱いして話さない
日本の幼稚園の先生は、話し方がとても優しいなと感じます。
ゆっくり、子供用の言葉なども使いながら、優しく語りかけます。
アメリカの先生は、あまり優しい話し方をしているイメージがありません。
子供を子供扱いして話すのではなく、大人と話す時と基本的に同じだと感じました。
子供であっても一人前の人格として認めてるという考えもありますし、ある程度厳しい口調で接しないと、クラスをコントロールできなくなるというのもあるかもしれません。
アメリカにはスナックタイムがある!
アメリカでは通常スナックタイムというものがあり、それぞれが持ってきたおやつを午前中の休み時間に食べます。
キンダーだけではなく、小学校の終わりくらいまではみんなスナックを持ってきていていました。ミドルスクールやハイスクールでもスナックタイムを設けているスクールもあります。
フルーツやクラッカーなども多かったようですが、いわゆるスナック菓子を持ってくる子もいました。アメリカ人の、子供への食べ物と健康に関する意識はかなり低いと感じざるを得ませんでした。
アメリカでは集団行動は教えない!?
背の順に並んで、「前にならえ」をして、休めの姿勢で先生の話を聞く。
行進する時は、周りの人と手足の動きをそろえて歩く。日本の幼稚園ではそういった細かい指導を受けて来た方が多いでしょう。
アメリカでは、そういう光景を目にすることはありませんでした。
週に一度 assembly(集会)があり、校庭に集まってアメリカの星条旗への忠誠の誓いの言葉を述べるということがありましたが、その時も並び方は適当で、整列するという概念もなかったようです。
意外と時間に厳しいアメリカ
意外に思ったのは、遅刻にとても厳しいということでした。
数秒でも遅れると、門の前で「Tardy」(遅刻)の札を渡されて、担任の先生に渡さないといけません。言い訳は一切聞き入れない雰囲気でした。
遅刻や欠席のなかった子供は表彰され、rewardとしてギフトカードをもらえることもありました。
アメリカ人の大人は割と時間にルーズな人が多い気がするのですが、子供の時の教育の効果はいつの間にか消えてしまうのでしょうか?
関連記事:英語子育てママ必見!キンダーガーテンとは?アメリカと日本の幼稚園の違い
文字や数字をいつから教える?
キンダーに入ると、フォニックスを使ってアルファベットを学びます。
毎朝AからZまでリズミカルに唱えていき、その日の天気や日付などをみんなで確認します。
文字は、キンダーが終わるまでに全て書けることを目指して学習していました。
エレメンタリー(小学校)に入る前に学習体勢を整えるようにしておくことがキンダーの目的です。数字も30まで言えるまで、一人ずつ言わせていきます。
日本の幼稚園では、基本的にそういった文字や数字は教えていないところも多いですね。
学校に頼らず、塾や自宅学習などで、ほとんどの子は小学校前に読み書きは出来るようにしています。
学校以外の塾などに通う子供は、アメリカではほとんどいません。
大学受験対策などでtutor(家庭教師)を付けるというのは聞きましたが、子供の頃の勉強は学校でするものだと言うのがアメリカでの基本的な考えのようです。
自由に発言する子供たち
アメリカの子供たちは、人前で発言するのがとても上手だと思います。
日頃から自由に発言する雰囲気の中で過ごしていて、一方的に先生が教えるというよりも、
言いたい事や気になることがあれば、積極的に言葉にします。
また、プレゼンをすることにも慣れています。
「Show and Tell」といって、みんなに自分のお気に入りの物などを紹介するのもよく見かける光景です。
お友達の発表を聞いたあとに、みんなが質問したり意見を言います。「質問はありますか?」と聞いてもみんな黙ってしまうということはほとんどありませんでした。
自分の意見を持つ事を重要視するアメリカ
自分の意見を持つことを大切にするアメリカでは、人と違う意見を言う事を怖がる感じはあまり見受けられませんでした。
たとえ自分以外全員違う意見でも、自分の言いたいことを伝えようとする姿勢が子供たちの中にはありました。
おそらく家庭でも、自分の意見を持つことの大切さを教えられているのではないでしょうか。他民族国家のアメリカでは、そもそもみんな同じなんてことはあり得ないのです。
アメリカで幼少期を過ごして日本に帰国したお友達を見ていると、アメリカのスクールになじむことよりも、日本に帰ってからの学校生活になじむことに苦労している子がとても多くいます。
「自分は日本人だから人と違う」と感じることなくアメリカで過ごせ子供も、日本では同じ日本人なのに、「周りとちょっと違う」と感じたと言います。
まとめ:子供の良さをのばすために
日本もアメリカもそれぞれの良さがあると思います。
日本の幼児教育に求める物があるとすれば、やはり自分の意見を言える子を育てる教育をしてほしいということです。
関連記事:グローバル教育ってなに?グローバル社会で活躍する子供を育てる5つのポイント
間違ったことを言っては恥ずかしい、という気持ちが芽生える前に、自分の意見をちゃんと伝える習慣を身につけていくことができれば、これからの国際社会で活躍できる子が多く育ってくれるのではないかと思います。