シュタイナー教育という言葉を耳にしたことはあっても、どんな教育法かよくわからないという方は多いのではないのでしょうか。
テレビ見せない?
絵本を読まない?
早期教育はさせない?
ほんと??なんで??
なぜ今シュタイナー教育が注目されるのか、その教育法にはどんな秘密があるのか気になりませんか?
子育てで取り入れたいシュタイナー教育の考え方と、その秘密をわかりやすく解説します!
目次
シュタイナーが考える4つの気質
シュタイナーは、人間の気質は4つのタイプがあると考え、親からの遺伝、生まれ育った環境、その子が持っている個性の混合によって作られると考えました。
どれか一つの気質だけであることはなく、4つの気質を持ち合わせているということです。
その子のその時々の気質に合った対応をすることで、よりよい成長を促せると考えます。
■胆汁質
・自己主張がはっきりしている
・意志が強い
・決断力・行動力がある
・意思が通らないと癇癪を起し、激しく反応する
・些細なことで周囲と衝突を起こす
・自分の能力が認められると、行動力集中力を発揮する
・土を踏みつけるようにしっかり歩く地水火風の4つのエレメントでいうと、火の要素、色でいうと赤
<接し方>
子どものやっていることに注目し、関心を示すこと。
少しハードルの高い課題を与える。簡単な課題を与えると自信過剰になってしまう。その子どもが尊敬する大人がいることが必要で、それで自制が働く。エネルギーを発散させるはけ口が必要。■憂鬱質
・物事を暗く悲観的に考える癖がある
・非社交的で孤独
・敏感で傷つきやすい
・自分に対してすごく関心がある
・懐疑的な態度
・歩き方は重たく、引きずるような感じ地水火風の4つのエレメントでいうと、土の要素、色は紺や紫
<接し方>
大人が辛い体験を話すと、共感を感じる。悲劇を経験した人を愛するこのタイプは、そういう出会いがないと孤独感を持ってしまう。■粘液質
・休むこと、食べること、眠ることが大好き
・人から注目されたくない、放っておいてほしいと思っている
・おっとりしている
・支持はきちんと受け、正確にこなすが、時間はかかる
・一度やる気を起こすと、持続し、長続きする
・ゆったりした確実な歩き方をする地水火風では水。色は緑。
<接し方>
大人が興味をもっていろいろなことに気づくのが大切。しかし、気づいたことを子どもに教えることは、子どもには迷惑な行為になる。子どもは親の反応に刺激をうけ、自分から関心を持つようになる。■多血質
・いろいろなことに関心を持ち、一つのことにじっくり取り組むことができない
・楽天的で、物事を肯定的にとらえる
・活気に満ち、陽気
・環境と自分の関係が大事だから、人当たりもよく、やさしい
・刺激されやすく、快不快、喜びや悲しみに対して敏感
・新しいものに関心を持つが、長い間集中できない
・足取りは、飛び跳ねているような軽やかな感じ地水火風でいうと風。色は黄色。
<接し方>
せかせかしているので、遊ぶ時に、大人が、その子どもより、少しゆっくりめに導いてあげる。一方、それに相反する方法もある。その子ども以上にせかせかし、子ども自身に気付かせる方法。引用:All About – https://allabout.co.jp/gm/gc/184257/2/
シュタイナー教育でしてはいけないこと3つ
テレビは見せない
テレビやメディアを見るという行為は受動的であることから、成長に悪影響を与えるとシュタイナーは考え、能動的に体を動かし、脳と体が一体となって学んでいく幼児期では、テレビや、映画は見せない、としています。
また、テレビを見る行為は、目の筋肉を不自然に使うため、目だけではなく体全体の筋肉が緊張してしまう、と考えます。
早期教育はさせない
シュタイナー教育では、幼児期に人格の80%が育つと考え、時期には心を育てることが最も大切だとしています。
なので、早期教育などで、知的なものには触れさせないよう提案しています。
もし、遊びを通して知的なものに触れたとしても、楽しくはありますが、精神が疲れてしまうので、子どもに悪い影響を与えると考えます。
絵本を読まない
幼児期にも絵本を読まないようにします。
驚く方も多いと思いますが、これは、絵本を使わず、素話の方が子どもの中のイメージを膨らませやすいと考え、絵がない方が、想像力、心の成長につながるというわけです。
素話をするときの話し方にも注意が必要で、声のトーンを変えず、感情を抑えて淡々と話します。
淡々と読んだ方が子どもの心にすんなりと入っていく、と考えるからです。
シュタイナー教育の特徴 1
シュタイナー教育では、人間の教育期の特性を7年ごとに分けて、「からだ」と「こころ」と「あたま」のバランスを大切にしているという考えが、一番の特徴とも言えます。
0〜7歳「からだ」を育てることが一番大切な時期
肉体の感覚機能の成長に大切な時期。
この時期は、運動やリズムを重視した活動を行います。
基本的には学習活動は行わず、身近な人たちとの関係をしっかりと育むことで心の成長を優先することが大切と考えます。
7〜14歳「こころ」を育てることが一番大切な時期
人間としての成熟期であるこの時期は、感情作用が活発化し、想像力が育ちます。
この時期には学習的な内容も組み込まれます。
シュタイナー教育は芸術的な要素が強く、歌や詩、絵などを多く取り入れています。
14〜21歳「あたま」を育てることが一番大切な時期
自分で判断ができる力をつけていく時期です。
自らの思考を開始する年齢であり、表象活動の活発化が課題となります。
シュタイナー教育の仕上げの時期です。
関連記事:モンテッソーリ教育とシュタイナー教育の違いと共通点をわかりやすく徹底比較!
シュタイナー教育の特徴 2
シュタイナーの特徴の二つ目として、同じ担任が長期に渡って生徒を見守るというのがあります。
子供の長期的な成長を見守ると共に、教師も一緒に成長することも可能と考えます。
また、シュタイナー教育は「フォルメン」や「オイリュトミー」といった独自の教授法があります。
オイリュトミーは音を身体で表現したり、目に見えないものや聞こえないものを表現する芸術でもあります。
フォルメンは色を使って形を描き、ものの形の理解から宇宙のあり方まで広く結びつける科目です。
いわゆる暗記や方程式に当てはめる学習法とは、一線を画しています。
今の時代では極端な感じもしますが、要は幼児期には自分の感覚(五感)を全開にして、体験を重ねることがより重要であると考えれています。
シュタイナー教育が目指すのは?
シュタイナー教育の用語に「教育芸術」という言葉があります。教育というのは芸術の域まで高められなければならないとシュタイナーは語っています。
ゴールを決めて画一的に教育を行うのではなく、それぞれの個性を伸ばすために、教師と二人三脚で育成されていくべきものであると考えています。
それぞれの持つ個性を伸ばし、自由な環境の中で自立心を養うことを目的としています。
そういう意味では、どういったゴールにたどり着くのかはわからない中で、自ら目的を探しだす教育法と言えます。
また、五感を重視した直観教育を行ことで、感覚や思考力を養うことを目指しています。
現在メディアの発達で、簡単になんでも体験できる時代になっています。
そんな中、失われつつある自然な感覚を養う教育の重要性が見直されているのでしょう。
まとめ
いかがでしたか?シュタイナー教育について知っていただけたでしょうか。
子供にシュタイナー教育を受けさせくても、そもそも近くにいいシュタイナー学校を探すのは困難だと感じた方も多いのではないでしょうか。
しかし、シュタイナー教育は、温かい家庭的な雰囲気で行われています。
幼児向けのシュタイナー教育の施設では、ピンク系のインテリアに木製のおもちゃなど、子供にとって安心できる環境に整えるように配慮されます。つまり、家庭で取り入れやすい教育法でもあります。
シュタイナー教育を行っている学校に通うのが難しくても、興味のある方はご家庭でできることから取り組んでみてはいかがでしょうか。
参考サイト:
こどもまなびラボ https://kodomo-manabi-labo.net/montessori-steiner-difference
ウチコト https://tg-uchi.jp/topics/5145
All About https://allabout.co.jp/gm/gc/184257/2/