最近、コンビニや外食チェーンで働く外国人をよく見かけますよね。
急速に外国人労働者が増えていますが、10年後には労働者の5~6%が外国人となる見通しの日本社会。
外国人労働者受け入れ拡大の施行で、あなたのお子さんも日本にいながら外国人と一緒に働くことが当たり前の時代となりそうです。
そこで今回は、外国人労働者受け入れ拡大にともなう日本社会の変化を予測しながら、子供の将来のために何を備えておくべきかを提案します。
日本国内はもちろん、海外も視野に入れたグローバルな活躍をお子さんに期待している親御さんは、ぜひじっくりと読んでみてください。
目次
なぜ外国人労働者を受け入れなければいけないの?
介護、建設業、農業、漁業、外食業などは私たちの生活に欠かせない業種ですが、実はこれらを含めた14業種は国内の就労希望者が少なく慢性的かつ危機的な人手不足に陥っています。
くわえて将来的な労働人口の減少を鑑みると、早急な労働者の受け入れが必要となっています。
そこで「改正出入国管理法」に基づいて外国人の新たな在留資格となる「特定技能」が2019年4月に施行される運びとなりました。
在留資格を新設したことで、即戦力となる外国人の労働者を2025年までに50万人超まで増やす方針が決まりました。
どんな人たちが日本に来るの?
外国人労働者の受け入れ対象国は9カ国
受け入れは当面、以下の9カ国となります。
ベトナム、中国、フィリピン、カンボジア、インドネシア、タイ、ミャンマー、ネパール、モンゴル
積極的に外国人就労を拡大していく業種は、人手不足が問題となっている以下の業種になります。
「5業種」建設、農業、宿泊、介護、造船業
「14業種」ビルクリーニング、食品・飲料製造、電気機器、車の整備など
子供の将来のために親がやるべき3つのこと
外国人の人口が増えると予測される日本社会では、親世代が今まで経験してこなかった変化が訪れるでしょう。
いささか不安も感じる将来で、子供たちがたくましく生きていくために親ができる3つのことを取り上げました。
我が子に日本国内に限らずグローバルな活躍を期待する親御さんは、要チェックですよ。
①英語力を伸ばす!
「日本にずっと住むんだったら英語は不要じゃない?」との考えはナンセンス。
突然ですが・・・全88カ国・地域で実施されている英語能力指数「EF EPI 英語能力指数」をご存知ですか?
実は、先に書いた「外国人労働者の受け入れ対象9カ国」に英語運用能力レベルで「非常に高い」にランキングした国があります。
それはどこの国かというと?
14位のフィリピンです(英語はフィリピンの公用語であり第二言語)。
ちなみに国内受け入れ人数が増えているベトナムは「標準的」レベルの41位。
日本は…「低い」レベルの49位です。
フィリピンへの進出を狙う日本企業にとって、英語が堪能なビジネスマンは大歓迎でしょうね。
グローバルビジネスの世界では、もはや英語は話せて当たり前の時代なのです。
②コミュニケーション能力を高める!
外国人労働者の受け入れ拡大に伴い職場はもとより、保育施設や学校にも外国人の子供が増えてきます。
文化、習慣、宗教、価値観が異なる外国人と日本人が共に生活するには、お互いの理解・尊重・協力が欠かせません。
学校で外国人と一緒に学び遊ぶ時間が増えれば、日本人の子供たちも多様性を認め受け入れる寛容さが育まれると私は期待しています。
それは将来的にもグローバルな活躍のシーンで役立つことは間違いありません。
外国人を見ると話しかけられないように避けていた過去の日本人のイメージは捨て去り、当たり前のようにコミュニケーションができる子供へと親御さんが導いていきましょう。
関連記事:グローバル教育ってなに?グローバル社会で活躍する子供を育てる5つのポイント
③子供に大人の固定観念を押し付けない!
島国だからこその文化や大人の持っている固定観念や先入観は、ややもすると排外感情を生み出しかねません。
また、日本での常識や当たり前も狭い視野から生み出される偏向した固定観念です。
もし大人がこのように偏った考えを子供に押し付けて定着させたらどうなるでしょうか?
日本以外の国では生き辛く、日本人以外の人と接することを拒むようになるはずです。
日本人の就労希望者がいない業種を担ってもらえる外国人労働者に対して、一方的に排外感情をむき出しにしてしまうことを私は悲しく感じています。
外国人の人口が増えると確かに不安も感じますが、子供たちに何を教え伝えていくかを親世代がしっかりと考えておかなければ、これからの時代をたくましく望んだとおりに生きていくことはできないと思います。
近い将来、子供たちも外国人と接する機会が増えてきますが、大人の排外感情や固定観念、先入観を先行させず、子供たちの目と自由な感性を尊重しながら成長を支え守っていきたいと考えています。
そして外国人労働者のおかげで滞りなく生活ができることへの「感謝」の気持ちを、子供たちが感じてくれるようになることを願っています。
外国人労働者受け入れのメリット/デメリット
外国人労働者受け入れのメリット
●若い労働力の獲得
現在、新卒者は売り手市場のため獲得に苦戦する企業が多い中、若手の外国人労働者が採用できることは大きなメリットです。
●社内環境の活性化が期待できる
外国人労働者の中には、向上心が高く意欲的な人材が目立ちます。
仕事への真摯な姿勢は、社内のマンネリムードを一新させ組織全体のリフレッシュが期待できるでしょう。
●異なる視点からの思考と発想
異なる文化や習慣が背景にあるため、日本人と違う考え方やアイディアが出てくるはず。
日本人スタッフへの刺激にもなり新たな商品やサービスの創造へと繋がる可能性があります。
●企業のグローバル化への対応が可能
海外進出を検討している企業であれば、進出予定地域出身の人材を獲得することで将来的にも大きな貢献が期待できます。
余談ですが、私の主人は昨年ベトナムに現地法人を設立しました。
約3年前から日本の本社にベトナム人の技能実習生を順次迎え入れ、就労期間を終えたらベトナムの会社で社員として働いてもらっています。
実習生の方々にはベトナム進出の際に大変な力添えをいただきました。
外国人労働者受け入れのデメリット
●文化、習慣、言語の違いによるコミュニケーションの難しさ
日常生活に支障のない日本語力を有しているとはいえ、職場で飛び交う専門用語や地域独自の言葉への理解不足は否めません。
また、日本人スタッフとのコミュニケーション不足が原因で孤立すると、本来のスキルを発揮できないケースも懸念されます。
●仕事に対する意識の違いを埋める努力が互いに必要
時間は厳守、仕事の完成度・完遂度が高い日本人ですが、外国では時間にルーズ、プライベード優先でも構わないと考える人もいます。
これら労働観や仕事に対する意識の違いを埋めるために、日本社会の現状や暗黙のルールを理解してもらうための指導も必要となります。
※外国人労働者は、受け入れ先の企業を変更できないので、職場の雰囲気や人間関係に悩んでも転職することができません。
しかも、特定技能1号の場合、たったひとりでの来日なので、その不安たるや察するに余りあります。
この記事をお読みになっている方が、外国人労働者の方と接する機会がありましたら、親しみを込めたコミュニケーションを図っていただければと思います。
まとめ
これからの日本社会で生きる子供のために親がやるべき3つのことをおさらいすると、以下の3つです。
①英語力を伸ばす
海外で働くつもりがなくても、日本にいるだけでも、英語は必須となってくる時代がくる。
②コミュニケーション能力を高める
外国人との共生はお互いの理解・尊重・協力が欠かせない。幼い頃から外国人とのコミュニケーションに慣れさせよう。
③子供に大人の価値観を押し付けない
日本の常識は狭い視野の産物である。子供の目と自由な感性を尊重しよう。
参考サイト:世界規模の英語能力ベンチマーク「EF EPI英語能力指数2018年版」が公開