国際バカロレアとは?経験ママが語るメリット・デメリットと日本の認定校

将来、英語圏の国へ留学したい!

グローバル化が進むこの日本社会でもっと国際感覚を身に付け、世界で通用する人材になりたい!

英語学習に興味のある方は、このような意欲をお持ちではないですか?

そのような方には、最近良く耳にする「国際バカロレア」が気になるのではないかと思います。

ここでは、海外に関心のある人に向けて、国際バカロレアの教育方針を紹介し、その良い点、問題点もお伝えします。

最後に、国際バカロレアは日本のどの学校で認定され、資格(ディプロマ)を取得できるのかをご紹介します。

国際バカロレア教育とは?

1968年、スイスのジュネーブで設立された国際バカロレア機構が国際的に共通する教育プログラムを提供するようになりました。International Baccalaurateの略で、一般にIBと呼ばれます

ある学校が国際バカロレアから認定されると、共通カリキュラムが与えられ、それに従って学校が授業を行い、試験を実施します。

国際感覚を考慮してのカリキュラムとなっており、多文化の奨励や2ヶ国語以上の学習など、バイリンガルやイマージョン校などの教育環境にいるお子さんたちには、さらに国際色豊かな思考力やコミュニケーション力を身につける良い機会と言えるでしょう。

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国際バカロレアには、3つの教育課程があり、

  • 3〜12歳の初等教育
  • 11〜16歳の中等教育
  • 16〜19歳の高等教育

に分かれています。

一般に、高等教育の国際バカロレアに対する関心が一番高いです。

それはカリキュラムが違うため、日本から海外の大学へ進学することが難しい状態でしたが、教育カリキュラムが世界で共通していることにより、学問の質が高いアメリカやイギリスの大学入学へも比較的有利になることが多いようです。

しかし、国際バカロレアのカリキュラムは、初等教育と中等教育がとても重要だと考えられています。

この時期に国際バカロレアのカリキュラムを受けた子供たちは、そうでない子供たちと較べて、将来の学力にかなり差がでるようです。

国際バカロレア教育の2つのメリット

日本ではまだ、あまり浸透していない国際バカロレアの教育プログラム。その認知度は年々上がっています。

将来、我が子に多くの選択肢を与えるために、カリキュラムを通してその土台を築いてあげたいと願う親も多くなってきていると思います。

国際的に良いプログラムですが、私がオススメする2つのメリットは以下の2つです。

  1. プログラムの知名度による優遇
  2. 教育の質の高さ

1. プログラムの知名度による優遇

アメリカやイギリスの大学の教育の質の高さは、世界的に認められています。

そのような質の高い大学の教育機関が国際バカロレアのディプロマや教科単位をかなり高く評価しており、その評価が大学入学に結び付いていることはかなり価値があると考えて良いでしょう。

国際バカロレアのカリキュラムは高い基準が設けられているため、その教育過程を終えた生徒は、アメリカやヨーロッパの名門大学校への進学率もかなり高いです。

また、大学進学先の選択肢が多いことだけに限らず、国際バカロレアで得た単位を大学単位として認めてもらえる他、奨学金や就職先にも有利になることが多いです。

2. 教育の質の高さ

国際バカロレアの教育カリキュラムで何が一番良いかと言うと、その教育基準の高さです。国際的に教育基準が設けているため、その内容に疑いはありません。

このカリキュラムの強みは、いろいろな分野において、創造性や理論的な思考力を身に付けさせながら理解力を高めるのです。

そのため、内容が良く理解できないような丸暗記をして、テスト時にパスすれば良い成績が取れるということはありません。生徒が常に挑戦できる場を与え、探究心をもたせながら、目標に達成する。

それは自信へとつながり、若い頃にそのスキルを身に付けておくと、将来どのような困難があろうとも、必ず克服できる力強さを与えてくれます。

国際バカロレア教育の2つのデメリット

これまで、良いポイントを述べて来ましたが、国際バカロレアの教育カリキュラムを受ければすべてうまく行くと言う訳ではありません。このバカロレア教育には、指摘されてる問題点もあります。

ここでは、以下の2つのデメリットをお伝えします。

  1. 時間的な制限
  2. 精神的な負担

本当に自分に合ったプログラムであるか良く考えてから決断しましょう。

1. 時間的な制限

教育の質が高いその裏には、それに伴う犠牲も出てきます。

国際バカロレアの教育カリキュラムは勉強を表面的なものだけでなく、その根本から追究しながら考えさせて行きます。

そのため、たくさんのレポートを書いたりプレゼンテーションをしたりと、かなりの時間が費やされます。勉強に追いついて行くだけでも大変なため、他の活動に参加する時間さえ取れません。

スポーツや音楽など、学校以外の時間に多大な時間を要する活動をする生徒は、かなり時間が制限されてしまいます。

よほど時間の管理がしっかりしていないと勉強以外、ほとんど時間が取れないことになります。

2. 精神的な負担

先程、述べたように時間にかなり制限がかかるため、毎日の生活が「勉強」という重みに押しつぶされることがあるかもしれません。

時間の管理や効率の良い勉強方法が出来ていないと、勉強について行くのが大変になり、それが生徒へかなりのストレスになります。

また、学問だけでなく、その他いろいろなことに興味を持ち、自分を試してみたいと思うのならば、どんなにカリキュラムが良くても、負担になるにことが目に見えてきます。

まず、国際バカロレアのプログラムへ申し込む前に、これが本当に自分に合ったカリキュラムなのかを良く考え、そして、自分には時間管理能力があり、ほかの活動とバランス良くこなして行けるかを十分に考えてみましょう。

また、いくら親が良いと思っても、お子さんにやる気がないのであれば、無理に国際バカロレアで教育を受けない方が賢明です。

日本にある国際バカロレアの認定校

国際バカロレアの教育プログラムは、希望校が指定の手続きに従い申請し、認定されてから教育カリキュラムを実施します。

国際バカロレアのプログラムは、全て導入することも、どれか1つのみ導入することも可能となっており、国際バカロレアの認定を受けている学校は、平成31年3月現在、世界153以上の国・地域において約5,000校です。

文部科学省によるよると、現在国際バカロレアの日本の認定校は一条校が20校、インターナショナルスクールが26校です。(一条校とは、日本の規定に従って成り立っている学校のことです。)

▶︎ 日本における国際バカロレア認定校の一覧はこちら

英語イマージョン校もあれば、国際バカロレアのカリキュラムだけ英語で勉強する学校もあります。

その他、日本語で国際バカロレアのディプロマを取得することが可能な学校もあります。

一方、インターナショナルスクールは日本に所在する外国語主体の学校であり、各々の国の規定に従い成り立っている学校です。

先程述べましたが、国際バカロレアの教育段階は3つに分けられており、学校によってはどの教育段階でカリキュラムが設けられているかが違ってきます。

学校の方針やお子さんの能力・性格などを良く考慮した上で、選択すると良いでしょう。

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まとめ

国際バカロレアの教育は基準が高く、初等・中等教育に受けると知能が上がると言われています。

また、日本のみならず、世界の有名大学へ入学できるという点から、高等教育でディプロマを取得することはとても価値があると言えます。

ただ、教育基準が高いことは良いですが、勉強について行くのが大変であったり、精神的に負担が掛かることも念頭において、プログラムを選ぶことを決めた方が良いです。

現在、日本には一条校とインターナショナルスクールを合わせて50弱の学校が国際バカロレアより認定されています。

どの教育段階でお子さんを入学させるかを良く考え、お子さんの能力や性格に合った学校選びと教育カリキュラムを選んでみてください。

ABOUTこの記事をかいた人

現在、アメリカのバージニア州在住。1998年に米国留学し、その後、就職・結婚・育児を得て、2014年から地元カウンティーにて複数の公立小学校の臨時教師として勤務。現在、ESLの教師の資格及び、教員免許取得を目指して勉強中。アメリカ人と結婚し、二人の息子を持つ。