来春に就学を控えた年長キッズのママが気になる「小1の壁」にスポットを当てました。
働くママに大きな負担がかかる「小1の壁」の実態とは、問題への取り組み方と対策、そして便利なサービスも一挙に紹介します。
目次
「小1の壁」実態と問題点
「小1の壁」とは、主に共働き家庭で、子どもが就学したことを機に直面する生活面・社会面の様々な問題を意味する造語です。
特に働くママに負担がかかるケースや問題点を以下に挙げています。
①19時までの延長保育がない
保育園では延長保育で19時までOKでしたが、学童保育は18時に閉園されます。フルタイム勤務のママは18時までに子どもを迎えに行けない、自宅に戻れない場合が多いので子どもに家の鍵を持たせることになります。
②短時間勤務制度・看護休暇制度は適用されない
「短時間勤務制度」は3歳まで、「子の看護休暇制度」は小学校就学前の子が対象。
育児中に役立っていた制度ですが、子どもが就学したらいずれも適用外となります。
③長い長い夏休みがある
子どもの頃は嬉しい夏休みですが、親になったら試練の夏休みです。夏休み期間中も学童保育は利用できますが、給食がないので毎朝お弁当を作って子どもに持たせる必要があります。
④学校行事、PTA、子供会の活動への参加要請
運動会などの学校行事は主に休日に開催されるので、翌平日は学校が休みになります。PTA活動、授業参観、引き取り訓練、保護者会、通学路の旗当番など、平日でも容赦なく親御さんの参加を要請される活動が年間を通して予定されています。
⑤いきなりの学級閉鎖
インフルエンザなどの感染症で学級閉鎖になると、我が子は元気でも通学はできません。もちろん学童保育も閉鎖になります。
⑥鍵っ子や留守番の心配
共働きで帰宅時間が遅い家庭だと子どもは鍵っ子となり、ひとりで留守番をすることになります。学童保育からの帰り道、留守番中の過ごし方など心配事が増えてきます。
⑦宿題、学校からの配布物、持ち物のチェック
子どもが「学童で宿題終わった!」と言ってもしばらくはチェックが欠かせません。毎度プリントで配布されるクラス便りや雑費徴収袋がランドセルの中に放置されていないか、明日持って行く物(※工作で牛乳パックや空き箱が必要なケースもあり)は全て揃っているかなど、毎日の準備もしばらくは親の手がかかります。
ママの仕事に関して4つの選択で考える
共働き家庭が直面する「小1の壁」問題で、負担が増えるのは働いているママです。働き続けるか仕事を辞めるか悩んだら、まずは4つの選択を通して生活状況をシミュレーションしながら対策を考えてみましょう。
①今のまま仕事を続ける
【対策】子どもの安全を第一に考える!
18時までの学童保育が終わった後の子どもの行動をシミュレーションして家族で防犯意識を高めます。安全第一で以下のような事柄をひとつずつ子どもに認識させ、練習を繰り返して身につけさせましょう。
- 帰り道/通る道を決める、路上駐車の車に近づかない、不審者対策、万が一の際に助けを求める場所と人
- 鍵を持たせる/鍵の管理方法、鍵を開ける前に周囲の確認、帰宅後の戸締り徹底
- 留守番/家の固定電話は留守電セット、インターホンが鳴っても応答しないドアを開けない、外出は禁止
- 家の中で/火器・刃物は使用禁止、友達と過ごさない招かない、ひとりで入浴しない
- 家電の使い方/エアコン、カーペット、パソコンの使用可否、冷蔵庫の開けっ放し注意など
- もしもの連絡先/親御さん、祖父母、ご近所さんなど頼れる大人の電話番号を壁に貼っておく (※110番・119番のかけ方も教える)
- 地震が起きた場合/ひとりで留守番中に地震が起きた場合の行動を決めておく
- スマホやGPS端末など子どもの居場所を確認できるものを用意する
- 学童保育を利用している生徒と一緒に帰るように互いの親御さん同士で話し合っておく
- 子どもと過ごす時間がない/時間の量ではなく質を高める、毎日最低でも30分は必ず子どもと真剣に向き合い話をしっかりと聞く
②同じ会社で雇用形態だけ変える
【対策】扶養に入るか、社会保険はどうするか、ベストな方法を家族で考える。
子どもの就学を機に正社員からパートタイムへと雇用形態を変更する人も多いですね。パートタイムで希望する勤務時間を仮設定し、扶養範囲内がよいかどうか確認しましょう。中途半端な勤務時間はかえって収入減になる可能性があるのでご注意ください。
③転職する
【対策】子育て中心で職場を探す
就学を機に転職を検討しているママの多くは子育て中心の生活を望んでいます。仕事を探すときは条件の優先順位を明確にしておくと、あれこれ悩まずに済みますよ。
勤務地が家と学校から近い、希望の勤務日数と時間、急な休みにも対応してもらえる、子育て事情に理解が得られるなど、リストアップした条件をベースに転職サイトを活用しましょう。
面接の際は、小学生を育てる親ならではの事情に対応してもらえるかを納得できるまで尋ね、子育て中心の生活に適した職場であるかをしっかりと見定めましょう。
④専業主婦になる
【対策】ママの収入ゼロを家計の工夫で乗り切る
これまでの収入がゼロになるのですから、支出を減らす工夫が必須ですね。まずは今まで当たり前のように利用していた便利なサービスや物、スマホの通信費、各種保険などの固定費を見直します。
さらに大きな改革としては住居費にメスを入れることです。今より安い物件はないか?引っ越したら毎月いくら家賃を削減できるか?引っ越し時の初期費用は削減額×何年でペイできるか?など、算出してみると大きな節約に繋がるケースもありますよ。これらの節約はママの工夫だけでは厳しいので、ご主人はもちろん家族の協力が欠かせません。
子どもに留守番を安心して任せられるようになったら再び仕事を始める予定のママなら「この節約は〇年間の辛抱」と割り切って考えることができます。
自宅で過ごす時間を活用したいなら在宅ワークがおすすめ。クラウドソーシングサイトの「クラウドワークス」や「ランサーズ」に登録するとスキルを活かした在宅ワークも可能です。
便利なサポートや心強いサービスを利用する
子育てを応援してくれる自治体のサポートや民間のサービスを紹介します。
一般財団法人 女性労働協会
ファミリーサポートセンター
http://www.jaaww.or.jp/service/family_support/index.html
市区町村が運営しているサポートです。ページ下部からサポートセンターを検索できます
民間の学童保育事業
- 学研の学童保育「ココファンキッズ」
https://cocofump-kids.com/ - アフタースクール「明光キッズ」
https://www.meikokids.jp/ - 東急グループ学童保育「キッズベースキャンプ」
http://www.kidsbasecamp.com/index.html
子どもの見守り、家事、送迎が依頼できるサービス
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- ニチイ「お子様安心サービス」
http://www.nichiiweb.jp/kaji/service/kids.html
- ニチイ「お子様安心サービス」
ベビーシッターを探せるマッチングサイト
https://matching-site-guideline.jp/
厚生労働省の社会保障審議会児童部会「子どもの預かりサービスの在り方に関する専門委員会」の議論のとりまとめを受け作成したガイドラインを基準にベビーシッターを探せるサイトです。子ども預かりサービスの一覧からベビーシッター運営会社を検索することができます。
●まとめ
聞けば苦労も多い「小1の壁」ですが、「小1の壁が高すぎて無理でした!だから小学校やめます」なんて言う親御さんはひとりもいませんよね。
まだまだ1年生は手がかかりますが、2年生、3年生と成長するうちに子どもは頼もしくなります。
それまでの数年間は周囲の協力も得ながら家族一丸となり、小1の壁を乗り越えましょう。