みなさんは「自己肯定感」という言葉を聞いたことはありますか?
保育や教育、心理などの世界ではよく使われている言葉ですが、最近は一般的にも使われる言葉として浸透しつつありますね。
自己肯定感とは、自分を無条件に信頼できる力のことで、生きる上で最も重要なベースになる力と言われています。
そこで今回は、自己肯定感の高い子供と低い子供それぞれの原因と特徴、そしてママができる子供の自己肯定感を高める方法をご紹介します。
自己肯定感が高い子供 3つの特徴
自己肯定感が高い子供の特徴1:何事にも挑戦できる
親が、どんな些細な事でも子供を褒めたり、また上手にできなかったときでも頑張ろうとした気持ちを褒めたりしてくれる環境にあった場合、子供は「ぼくならできる!」「ぼくなら大丈夫!」と自分を信頼することができます。
その結果、失敗することが自分の価値に直結する感覚がありませんので、「うまくできないかもしれないけれど、やってみたい!」と、失敗を恐れずに様々なことに挑戦しようとする特徴のある自己肯定感の高い子供になります。
自己肯定感が高い子供の特徴2:自分の意見を言える
一般的には間違った考えやネガティブな気持ちでも、まずは全てを受け止めてくれる環境で育った子供は、どんな意見や気持ちでも表現して良いことを知っています。
その結果、自分の意見が正しいかどうかを気にせずに発言することができますし、イライラも悲しさも包み隠さずに表現できる特徴のある自己肯定感の高い子供になります。
自己肯定感が高い子供の特徴3:周りの人に優しくできる
親に信じられ、時に守られながら育った子供は、自分自身が大切な存在であることを知っています。
また、自分が大切な存在であるということは、親や周りの人も自分と同じようにそれぞれが大切な存在であるということを理解しています。
その結果、自分に優しくするのと同じように親や周りの人に優しくすることができますし、周りの人が困っていたり失敗してしまったりしたときは、手を差し伸べてあげることができる特徴のある自己肯定感の高い子供になります。
自己肯定感が低い子供 3つの特徴
自己肯定感が低い子供の特徴1:「どうせ」が口癖になっている
親が子供のためにと思ってしていることだとしても、それが逆に子供を抑え込んでしまっている場合があります。
子供のためと真剣に思うほど、どうしても叱ることが増えてしまうのです。
子供は怒られてばかりの自分はダメな子なのだと思うようになり、ありのままの自分でいてはいけないのだと思ってしまいます。
その結果、「どうせぼくは…」「どうせできない…」「どうせダメだ…」など、「どうせ」が口癖になってしまう特徴のある自己肯定感の低い子供になってしまいます。
自己肯定感が低い子供の特徴2:自分の意見や気持ちが言えない
親なので子供に「しつけ」をすることは当然なのですが、それが一方通行である場合、子供は自分の意見や気持ちが言えなくなってしまいます。
例えば、「言うことを聞きなさい!」という言葉は、子供に意見や気持ちを言う余地を与えません。
また、「あなたのためを思って言っているのよ。」という言葉も、一見優しい言葉に聞こえますが、実は一方通行になってしまっています。
その結果、自分の意見が正しいかどうかが気になって口に出すことができない特徴のある自己肯定感の低い子供になってしまいます。
また、イライラや悲しいという感情も口に出してはいけないと自分の気持ちを隠したり、我慢してしまう子供になってしまうこともあります。
自己肯定感が低い子供の特徴3:嘘をついたり、攻撃的になったりする
しつけは時に「叱る」ことも必要ですよね。
しかし、あまりにも意図なく叱ってばかりな状況が続いてしまうと、子供は親に信じられていないと感じてしまうため、自分で自分を守ろうとしてしまいます。
その結果、子供は自分のことが信じられないので、親や周りにいる人のことも信じられない特徴のある自己肯定感の低い子供になってしまいます。
そして、何かあったときにすぐ言い訳をしたり、嘘をついたり、暴力を振るってしまったりするようになるのです。
子供の自己肯定感を高める方法
自己肯定感の高い子供を育てる方法1:パーフェクトな子供に育てようとしない
・失敗したってあなたが大好き
親としてはついつい将来社会に出ても困らないように、パーフェクトな子育てをしなければと思ってしまいますよね。
しかし、社会に出ても困らないような大人って、どんな大人のことですか?
何かができるとかできないとか、素晴らしい成功を収めたとか挫折してしまったとか、人が羨むような生活をしているとか家にこもって生活しているとか。
何が子供自身の幸せにつながっているかは、例え親であっても決められることではありません。
例え失敗してもできないことがたくさんあっても、それがあなたで、そんなあなたが大好きだよ、と伝え続けることが何よりも大切です。
・親だって失敗しても良い
それは親自身にも言えることですので、もしも失敗することやできないことがあることはダメだと思っているのだとしたら、
まずは失敗やできないことのある私だけど、こんな私のままで良いのだと自分を認めてあげるところからスタートしてくださいね。
また、自己肯定感の高い子どもは、自分を信頼できる分、人の言うことも信頼できるようになっていますので、自然としつけや社会のルールを受け入れられるようになりますよ。
自己肯定感の高い子供を育てる方法2:今やっていることにフォーカスする
・周りの子供と比べない
子育てをしているとどうしても、発達やできることを周りの子供とついつい比べてしまって、なんで自分の子供はできないのかな?と悩んでしまうことがありますよね。
「あの子はちゃんと座ってお話が聞けるのに。」
「うちの子はお友達と遊ばないで一人で遊んでばっかり。」
「あの子は絵本が読めるのに、うちの子は全然読めるようにならない。」
でも本当は、できるようになったことが一つもない子供はいないはずなのです。
「お話はまだ聞けないけど、自分の思ったことをお話しているってすごい!」
「一人でも楽しんで遊んでいるなんてすごい!」
「絵本には見向きもしないけど、ひたすら新聞紙をちぎれる集中力があってすごい!」
このように変換することもできます。
十人十色なので、違っていて当たり前。ありのままのお子様を見つめて、我が子が持つ特性やみんなと違った点を見つけて、その部分を思いっきり褒めてあげましょう!
・もう既にやっていることを褒める
特別なことでなくても構いません。
「靴を自分で履いている。」「スプーンを上手に使っている。」
できるようになるとついつい当たり前に感じてしまいますが、子供が今できていることはどれもできなかった頃があるのです。
どんなに些細なことだとしても、発見したときにすぐ褒めてあげるようにしましょう。
この時「○○ができたからすごい!」という気持ちではなく、「○○しているなんてすごい!」という気持ちで伝えることが大切です。
少しの違いですが、終わってしまった結果としてではなく、今も続いている子供の一つの特徴として捉えてあげられると良いですね。
そして、必ずしもできるようになる必要はないという前提を持ちながらも、「あなたなら何でもできる!」と信じて伝えてあげることが大切です。
理由なんていりません。
「だってあなただもん!」それで良いのです。
自己肯定感の高い子供に育てる方法3:「いいね!」を口癖に
・どんなに変でもやらせてあげる
例えばですが、子供ってとんでもない洋服を組み合わせることがありますよね。
水玉のトレーナーにチェックのスカート、もう肌寒くなってきたのに麦わら帽子をかぶり、快晴なのになぜか長靴…。
親としてはどうしてそうなった!と叫んでしまいたくなるコーディネートをすることがありますが、そんな場面でも「いいね!」と認めてやらせてあげるようにしましょう。
その奇抜な組み合わせが、今の子供にとっては最高のコーディネートなのですから。
・好きなことを楽しむ気持ちを経験させる
子供の好きなものや得意なものを知り、伸ばしてあげるのが親の役目です。
好きなものは否定せずにとことんやらせてあげましょう。
想定外の才能を発見することになるかもしれませんし、満足してもうやらなくなるかもしれません。
上手にできるか、失敗しないかを見張るよりも、好きなことを楽しむ気持ちを経験させてあげることの方が大切です。
社会のルールやマナーなど最低限教えるべきことはありますが、命に危険がない限りはできるだけ子供がやりたいことをやらせてあげましょう。
自己肯定感の高い子供に育てる方法4:うちはうち、よそはよそ
・他人の意見に左右されない
親自身がこうしようと決めた育児方針は、誰に何を言われようとも変える必要はありません。
もちろん、良いなと思う意見を取り入れるのはありですが、そうするべきなのかな…と思う意見は取り入れなくて良いでしょう。
後に決めたことが失敗だったかなと後悔することがあるかもしれませんが、子育てに失敗するということはありえません。
親がどんな子育てをしようとも、子供自身がかけがえのない素晴らしい存在であることは、生まれた瞬間からずっと変わることはないのです。
・親自身も自分を信じてあげる
ですから、自分に自信を持って子育てをしてください。
親が自分の子育てに自信を持てずに、やることなすことがころころと変わってしまうと、子供は混乱し子供自身も自分に自信が持てなくなってしまいます。
どんな子育てをしても、時に失敗したとしても、自分自身を信じることができてさえすれば大丈夫です。
子供がそうであるように、親自身もかけがえのない素晴らしい存在なのですから。
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自己肯定感とは、楽しく生きる力
さて、自己肯定感の低い子供と高い子供それぞれの原因と特徴、そしてママができる子供の自己肯定感を高める方法をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
子供が大人になる過程、そして大人になってから、楽しいこともあれば壁にぶちあたることもあるのは当然のことです。
しかしその時、ベースに自己肯定感があるのとないのとでは、その時の感じ方やその後の進み方が変わってきます。
子供はいずれ親元を離れていきますから、どんな時でも自分自身の一番の味方でいられる力を育ててあげたいですね。