あなたは「ヘリコプターペアレント」という言葉を聞いたことがありますか?
ヘリコプターのようにいつも子供の周りを付きまとって監視し、干渉し続ける親のことを言います。
今回はこのヘリコプターペアレントの特徴や事例、ヘリコプターペアレントにならないための対処法などを考えていきたいと思います。
目次
アメリカで急増中!ヘリコプターペアレントとは?
日本ではまだあまり耳にすることがありませんが、アメリカを中心に認知度が高まっている言葉です。
自分の子供に対し過保護なあまり他人に迷惑をかける「モンスター・ペアレント」の中でも、特に子供に付きまとい子供とその周囲の人間を監視するなどの行為が目立つ親のこと。ヘリコプターのような親が子供の頭上を旋回するイメージからつけられた呼称である。具体例としては子供の職場や学校についてくるなどの、常識に照らすと考えにくい行動をとる親が該当する。
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簡単に言うと、低空飛行するヘリコプターのように、常に子供の近くにいて干渉する親をヘリコプターペアレントと呼びます。
「ヘリコプターペアレント」と呼ばれる親の関わり方により、子供が生活・人生に必要な能力に問題を抱えるようになってしまうと最近、アメリカで問題視されています。
具体的には、子供が自分でできるにもかかわらず、なんでも先回りをして手助けをしたり、過剰に心配したり手をだしたりする親を差しています。
モンスターペアレントとどう違う?
日本では、「モンスターペアレント」のほうがよく知られていますし、一時期かなり話題になりましたよね。モンスターペアレントは、学校や塾の先生などに理不尽な要求をしたり無理難題を押し付けたりする親を指します。なんとも先生泣かせです…。
どちらも「自分の子供が大切」という意識が根本にありますが、ヘリコプターペアレントは、そんな子供が辛い思いをしないように先回りをしたり、親が過剰に手助けしてしまうという特徴があります。
一方、モンスターペアレントは、子供自身に対する働きかけというよりは、先生や学校が対象になるので、性質は少し異なります。
ヘリコプターペアレントが与える子供への悪影響
こういった親の考え方や行動で子供を監視してしまうと、以下のような悪影響がでてくると考えられています。
- 常に親の意見を求めてしまい、自律的に行動できない
- 自己肯定感が低くなる
- 失敗を過剰に恐れるようになってしまう
- 失敗を経験せずに大人になるので、社会に出て失敗すると立ち直れなくなる
子供は年齢を重ねるにつれて、子供なりに社会性を身に着けながら成長していきます。そんな成長過程で過保護・過干渉なかかわり方をしてしまうと、自分で何も決められない、自分に自信が持てない子になってしまう恐れがあります。
常に親が自分にかわって決断をしたり、何をしていても手助けされる状況では「自分を信じて行動する」ということが難しくなってしまうんですね。
あなたは大丈夫?ヘリコプターペアレントの傾向チェック
子供の成長にとっても悪影響なヘリコプターペアレント。子供多可愛いあまり、親が自分がヘリコプターペアレントになっていると気づかないケースが多いらしいです。
ここまで読んで、「自分はヘリコプターペアレントにならないだろうか…」と心配になる方もいるかもしれません。
次のような考え方や行動、あなたはいくつ当てはまりますか?
- 子供同士の対立の干渉に親が入りがち
- 宿題や課題を親がやってしまう
- 子供の先生までも監視する
- 少しの外出でも気になってついていく
- 親が子供のことをなんでもやってあげる
- 子供が失敗しないように働きかけをしがち
- 子供が課題に直面したらほおっておけない
- 年相応にできることでも、子供には決断させない
お子さんの年齢にもよりますが、いつまでたっても親が子供に対してこういう姿勢でいると、ヘリコプターペアレントの仲間入りかもしれません。
誰でもヘリコプターペアレントになる可能性がある
ヘリコプターペアレントの傾向チェック、みなさんはいくつ当てはまりましたか?
私自身、2歳の娘がいるのですが、8つの問いを見ながら「自分もヘリコプターペアレントになるかも」と思ってしまいました。
今はほぼ毎日子供と一緒に行動をしているので、子供の行動を毎日みています。子供が他の子供のおもちゃを取りに行こうとすれば仲裁するし、危険な場面では助けるし、できるだけ痛い思いをしないように、と常に目を光らせています(笑)
もちろん、まだまだ小さな子供なので当然なのですが、これから学校に通い、社会に出て、と娘が成長していく段階で親自身がうまく子供に行動・考えの主導権をシフトしなければ、ヘリコプターペアレントになる可能性があるなと感じました。
我が子を愛することは大切なのですが、それが行き過ぎるとヘリコプターペアレントになってします。このボーダーラインは確かに難しいです。何事にも言えますが、バランスが大切です。
ヘリコプターペアレントにならないために
生きていると傷つくことも、時には相手を傷つけてしまうこともあります。試練もあります。大切な我が子が悩んだり困っていると心配で仕方ないですよね。この気持ちはどの親にもあると思います。
しかし、心配だからといって、なんでも先回りして対処してあげていては、子供自身が持つ力を発揮できずに、学ぶこともできません。
子供はいつまでも親と一緒にいるわけではありません。成長とともに自分の世界をどんどん広げていきます。過干渉・過保護なヘリコプターペアレントにならないようにするためには、そんな子供の世界を尊重し、自分の子供の力を信じて見守ることがとても重要です。
常に子供の行動を監視しようとしたり、先回りして何かしてあげるのではなく、「一歩ひいて見守る」こと、そして子供の行動に対して「全力でフォローして一緒に学ぶ」こと、を大切にしていきたいですね。