イマージョン教育と聞いて、どんな様子を想像しますか?
日本の英語教育法について見直される中で、イマージョン教育は非常に効果が高いと期待されています。
実際にイマージョン教育を取り入れている学校では、高い効果を実感しているといいます。
私は、日本でもっと積極的に取り入れられるべき優れた教育法だと考えています。
英語教育にイマージョン教育取り入れるべき5つの効果とメリットをご紹介します!
目次
イマージョン教育とは?
イマージョン教育は、1965年にカナダで始まった初中等教育における外国語教育法です。
母語と習得したい外国語の両方を伸ばすことを目的としています。
イマージョン(Immersion)という英単語の意味は「浸すこと」です。
イマージョン教育を直訳すると「浸す教育」とあり、つまり子供達を外国語に浸す教育法ということになります。
英語教育の現場では、子供を英語漬けにする環境を作る事は理想的と言われています。
外国語を1つの科目として学ぶ従来の教育とは違い、国語以外の科目を外国語で学ぶことが、イマージョン教育になります。
イマージョン教育の5つの効果とメリット!
①英語への苦手意識が生まれにくい
イマージョン教育は、いわゆる英語の文法や単語の丸暗記などではないアプローチですので、英語を勉強しているという感覚があまりありません。
英語を文法や形から学ぼうとすると、どうしても苦手意識を持つ子供はいますが、そういった英語を勉強している感覚が生まれにくいのは大きなメリットです。
②英語だけでなくて、一般知識が深まる
イマージョン教育は、なにか新しい知識を学ぶ時に英語を介しているということになります。なので、英語だけでなく幅広い知識を増やすことにつながります。
例えば、地理の授業を英語で実施すると、地名や地理用語を英語で学べるだけでなく、地理に必要な一般的な知識を同時に学ぶことになります。
英語の文法や語彙を増やすことに着目するのではなく、習う内容にフォーカスすることになるので、知識を深めながら学習することが可能になります。
③英語を情報収集の手段と捉えることができる
英語は、なにか知りたい情報を集めるときにとても役立つツールです。
英語がわかると多くの情報源を得ることができるということを、教科学習を通して実感できます。
例えば、災害について授業をおこなったとします。日本での災害対策についてなどは、調べればすぐにわかりますが、アメリカでの対策はどうすればわかるのでしょうか。日本語に訳された情報を探すと、内容が限定的であることがあります。
直接アメリカの災害対策のホームページから情報が得られたら、日本語だけで検索するよりも遥かに多い情報を得ることができますね。
こういったことを授業の中で実感していくことができれば、英語はとても有効なツールだと理解できます。
使い慣れていくことで、上手く英語というツールを使いこなしていくことができるようになるでしょう。
④母語と外国語、両方を大切にすることができる
イマージョン教育を行う原則として、母語の使用を制限しないというのがあります。
加算的バイリンガリズムと言って、母語も、習得しようとしている言語もどちらも尊重するという考え方に基づいています。
母語の使用を制限してしまうことで、意見を述べられなくなってしまったり、考えを狭めてしまいかねません。あくまで、母語も外国語もどちらも使いこなせることが目標です。
⑤グローバルな視野を持てる
英語をツールとして利用できるようになると、世界中に輪を広げることができます。
日本人の意見だけでなく、他の国の人はどういった考えを持っているのか、日本語を介せずに直接触れることができます。
普段の教科学習から英語を使用しているため、広い分野での英語表現が身に付いています。
決まりきった言い回しを暗記する英語学習では、自分の意見を言う能力や、他の国の文化や考え方を理解する能力は身に付きません。
なぜ今、イマージョン教育なのか
日本では急速に進むグローバル化に対応するためにも、真の国際人の育成が急がれています。
本当の意味でのグローバルな視野を持った人間を育成するには、従来の暗記偏重型の英語の勉強をしているだけでは不十分なのは周知の通りです。
英語を身につけるだけの学習に時間をとるのではなく、総合的に教科学習と合わせながら学べるイマージョン教育は、とても効率のよい学習法と言えます。
効果的で効率的な学習法であるイマージョン教育こそ、今まさに日本人に必要な教育なのではないでしょうか。
関連記事:イマージョン教育とは?経験ママが語る効果とメリット・デメリット
まとめ
いかがでしたか?イマージョン教育のメリットに着目してご紹介しました。
もちろんデメリットもあるかと思いますが、総合的に見て非常に優れた学習法であることはご理解いただけたのではないでしょうか。
今の日本でイマージョン教育を理想的な形で実施するには、教師の質や費用面などの課題がたくさんあり、簡単ではない状況です。
しかし、一部の私立校などでは取り組みを始めていて、成果も出始めています。
日本でイマージョン教育が浸透して、本物の国際人が育成される環境が整うことを願っています。