バイリンガルというと、どういったイメージを持ちますか?
外国人とも対等に渡り合って、世界をまたにかけるビジネスマンでしょうか。
それとも、国際会議で裏方となって颯爽と同時通訳をこなしているイメージですか?
2つ以上の言語を自由に使いこなすことができれば、将来活躍する場は広がり、英語を話せば世界中の人とコミュニケーションを取る事ができます。
そのためにも子どもに早期から英語を学ばせたいと熱望する親御さんたちも多くなっています。
早期の英語教育は意味がない?
子どもの早期英語教育には賛否がありますが、賛成派の私からすると、反対派の意見は古いと思っていました。
しかし、色々な意見の中に「はっ」とさせられるものも散見されました。
反対派の意見を調べて気づいたことは、バイリンガル教育はやり方を間違えると取り返しのつかないことになるかもしれないということです。
まず、言語を話すにもレベルがあります。”母国語レベル”、”第2言語として流暢なレベル”、”聞き取れるけれど話すのは流暢でないレベル”。
バイリンガルと呼ばれるには、できれば二つの言語とも母国語レベルであることが理想ですが、どちらか一つの言語が流暢な第2言語レベルでも、十分仕事はできます。
それよりも、母国語レベルの言葉がどれだけ使いこなせているかが大切になってきます。
バイリンガル教育の中で一番危険なのは、どちらの言語も中途半端になってしまうことです。
カリフォルニア州に住む日系人の知り合いに、日本語と英語をミックスして話す人がいます。
「Tomorrow, I have to go to 歯医者。It’s 面倒くさい。」家族や親しい人にはこういった話し方をします。
意味はわかります。わかるのですが、かなり不自然だと感じてしまいます。
ごくごく限られた世界では通じる言語ですが、日本に住んで、日本人の顔をして、こういう話し方をしたら、怪訝な顔されてしまうかもしれません。
アメリカ出身ですと言えば、納得してもらえるでしょう。
しかし、毎回説明するのもちょっと大変です。
そういう意味で、やはり日本人として生きていくためには、きちんとした美しい日本語を話すことが必要になります。
日本語も英語も話せるけれど、どちらも”第2言語として流暢なレベル”では、通訳としては厳しいでしょう。
自分自身は意味がわかっていても、正しい言葉で訳すためのレベルには達していません。
英語の早期教育反対派の人たちは、そういったところを指摘しています。
いくら幼いころから英語を習っても、日本語がちゃんと話せなければ本末転倒ではないかということです。
早期英語教育はいつ始める?
では、日本語が完璧に習得できてから英語の勉強を始めればいいのでしょうか。
私はそうは思いません。
語学に関しては、幼児期にしか習得できないことがたくさんあります。
色々な種類の音を自然に聞き取ることができる時期に、しっかりと英語の音に慣れておくことや、英語のアルファベットの形に親しんでおくことなど、ぜひ幼児期にしておいた方がいいことがたくさんあるのです。
大人になってからでは大変な労力を要することでも、子どもの頃なら遊びの中に取り入れながら、大きく効果を上げることができます。
関連記事:[幼児英語教育] ズバリ!何歳から英語を教えるべき?英語習得の黄金期はいつ?
中途半端なバイリンガルにならないために
では、日本語力が育っていない中途半端なバイリンガルにならないための3つの注意点を挙げます。
1. 言葉をミックスしない
あくまで日本語と英語は場面によって使い分ける事です。
子どもがもしミックス言語を使い始めたら、親はかたくなに100%日本語を貫き通す事をお勧めします。
2. 周りの学習スピードに左右されない
周りにとても勘のいい子がいて、すぐに英語を習得する様子を見ても慌てない。
継続していれば芽が出る時は来ると信じて続けることです。
3. 英語は飾りではない
英語ができると、かっこいいともてはやされたりします。しかし、子どもに英語を身につけさせることをファッションのようにとらえていると、目的を見失ってしまいます。
ネイティブのような発音やテストの点数にとらわれてしまうのではなく、使える英語を身につけることを目指しましょう。
まとめ
バイリンガルに育てたいと漠然と思っているだけでは、本当の意味での英語力を身につけるのは困難です。
これからの時代は、英語力だけでなく個人の想像力であったり、コミュニケーション能力であったり、人間力が求められていくでしょう。
英語をかっこよく話すだけの時代は終わりました。
日本語でも英語でもきちんとした意見を言える、本物の国際人になれるよう、親はしっかりとした方針を持って取り組まなければなりません。
どんな心構えで子ども英語教育をすすめていけばいいのか、親同士で意見交換をしながら、その子にあったやり方を見つけてみてください。